【3月13日 AFP】ノルウェーの首都オスロ(Oslo)にある市民農園の小屋でいん石のかけらと見られる物体が見つかり、施設を利用する家族を驚かせている。同国メディアが12日、報じた。

 専門家によると、オスロ市内の労働者階級が多く住む地域にある市民農園で見つかったこのかけらは、同国で1日に観測されたいん石から分離したものとみられており、重量は585グラムで、2つに割れているという。

 いん石を研究する天体物理学者Knut Joergen Roed Oedegaard氏と妻のAnne Mette Sannes氏によると、このいん石のかけらは、小石や鉱物といった礫(れき)が集まってできた角礫岩であるという。SannesさんはAFPに、「(今回の事では)いくつかの面で驚くべきことがあります。ひとつは、いん石のかけらが屋根を突き破ったこと、そしてそれが珍しい角礫岩だったこともそうです」と述べた。

 Sannesさんによると、いん石の所有者は、この度見つかったいん石のかけらを博物館に置くなどして、国内にとどめたい意向であるという。

 パリ天文物理学研究所(Paris Institute of Astrophysics)の研究者は、大抵の場合、いん石は地球の大気圏に突入した際に燃え尽きてしまい、人間の生活圏に落下することは極めてまれであると語り、「この家族はとても幸運だね。落下による大きな被害がなく、そしてちょっとした財産になる」とAFPに語った。

 同国紙「ベルデンス・ガング(Verdens Gang)」の電子版が伝えた地球物理学者の言葉によると、火星から飛来したいん石については、1グラム当たり5000ノルウェークローネ(約7万2500円)の値がつくというが、ただ今回見つかったいん石のかけらが、どれだけ珍しいものなのかは不明だとした。(c)AFP