【2月29日 AFP】中国政府は地方政府に対し、「一人っ子政策」の脅迫調のスローガンを中止するよう命じた。国営英字紙・上海日報(Shanghai Daily)が前週末に報じた。

 中国政府が禁止させるスローガンは以下のようなものだ。「規則に従わないなら家族を皆殺しせよ」「2人目を許可するくらいなら、おまえの子宮をこすり取る」「避妊手術をしなければ家を解体する」「捕まれば、避妊手術させる。逃げれば追いかける。自殺したければ縄か毒薬の瓶をやろう」

 上海日報は、どの地方当局が、これらスローガンを利用しているかについては明らかにしていない。

■中国で続く「一人っ子政策」

 人口が13億人を超える中国は、1979年に「一人っ子政策」を導入した。緩和を求める声はあるものの、人口過剰になれば国の発展が危険にさらされるとして、中国当局は依然として一人っ子政策の必要性を主張している。

 だが中国国家人口計画生育委員会(National Population and Family Planning Commission)としては、地方政府が政策の実施に熱心なあまり、不快なスローガンを使って国民を怒らせたり社会的な緊張を高めたりすることを防ぎたい考えだ。

 専門家の中には、人口の高齢化や男女比の偏りが進む中、一人っ子政策が「社会的な時限爆弾」になりつつあり、社会・経済的な大問題を引き起こす恐れがあると指摘している。(c)AFP