【1月6日 AFP】「売ります:のどかなバンガロー風コテージ、核ミサイルサイロ(格納庫兼発射場)付き」。

 競売大手サザビーズ(Sotheby's)の目録に開始額176万ドル(約1億3500万円)で登場したのは、米ニューヨーク(New York)州北部、森深いアディロンダック山地(Adirondack Mountain)にあるウッドハウス。

 外見は典型的な別荘だ。少なくとも普通に地面に立っている。しかし、ドアを開けて内部を見ることができるコードをキーパッドに打ち込み、勾配の急な階段を降りると、そこは別世界への入り口だ。 

 地下で最初に登場するのは、古典的なタイプのミサイル制御室。今はモダンに改装されている。そこからトンネルを抜け、巨大な防爆ドアを何枚か開けては進んで行き着くのは地下7階、ミサイル格納庫だ。

 格納庫は現在は空だが、ジェームズ・ボンド(James Bond)に憧れる人たちには、たまらない物件だろう。敷地にはもちろん専用滑走路もある。

 この物件の正体は、超強化型地下サイロの第1世代で、1961年から65年まで実際に稼動していたアトラスF(Atlas-F)と呼ばれたミサイルサイロ。閉鎖された後、実業家ブルース・フランシスコ(Bruce Francisco)氏が購入した。

 売却宣伝用のサイトを見ると、地面に開いた格納庫の扉から、大陸間弾道ミサイルが突き出ている当時の白黒写真が掲載されている。(c)AFP

【参考】「アトラスF」大陸間弾道ミサイルサイロ物件宣伝サイト(サザビーズ)