【12月31日 AFP】オランダ中部アメルスフォールト動物園(Amersfoort Animal Park)の飼育係は、新年を祝う花火の音におびえるキリンを落ち着かせる新しい方法を編み出した。ポップ音楽を聴かせるのだ。

 同動物園広報のヨーシェン・ファン・アイク(Josien van Eijk)さんはAFPの取材に対し、同動物園にいる約130匹の動物のうちキリンだけが花火の音におびえるため、「キリンを落ち着かせるため、数年前からいくつかの方法を試してきました」と語った。

 その結果、ポップ音楽を聴かせるのが最も効果があることが分かった。アメルスフォールト動物園の5匹のキリンは、ポップ音楽を聴いていると花火の音をただの雑音のように感じるようになるのだという。

■ラジオを聴いて年越し
 
 飼育係たちは今年もキリンたちにオランダで人気の公共放送「ラジオ2」の番組、「Top 2000」を聴かせることにしている。「慣れさせるために、音楽を聞かせ始めています。年越しの時は少しボリュームを上げればいいでしょう」(ファン・アイクさん)

 キリンたちに特に好きなジャンルはないようだが、ファン・アイクさんは「ときどき静かなバラードが流れれば、まず大丈夫でしょう」と話した。

 オランダ人は、新年を祝う花火に毎年かなりの出費をしている。華やかな花火で、戦場のようになる街もある。オランダの郵便局は郵便箱を封鎖して騒ぎに備えるほか、薬を使ってペットを落ち着かせる人も多い。

 2000年にはオランダのエンスヘーデ(Enschede)の住宅街で花火倉庫が爆発し、22人が死亡した。これを受けてオランダ政府は花火の販売規制を導入し、12月29日から31日までの3日間は1人当たり「たったの」10キログラムしか花火を買えなくなった。(c)AFP

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