【11月28日 AFP】来月、宇宙へと飛び立つオランダ人宇宙飛行士アンドレ・カイパース(Andre Kuipers)さん(53)には、周回軌道上で特別なおやつが待っている。――アムステルダム(Amsterdam)産の熟成チーズ、5キログラムだ。

 カイパース飛行士は12月21日、別の2人の飛行士とともにロシアのソユーズ(Soyuz)宇宙船で国際宇宙ステーション(International Space StationISS)に向かい、5か月間滞在する。

 チーズ製造大手ウエストランド(Westland)の広報担当者は26日、AFPの取材に次のような経緯を明かした。「アンドレさんは、わが社のチーズの大ファン。本人から手紙で、好物のオールド・アムステルダム(Old Amsterdam)チーズを宇宙に持っていきたいので当局と交渉してくれないかと依頼を受けた。米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)に数え切れないほど何通も電子メールを送り続け、約10キログラムのチーズを宇宙に送る合意を取り付けた」

 同社によると、チーズは特別に切り分けて包装され、まず5キログラムが米ヒューストン(Houston、NASA基地がある)を経由してカザフスタンから貨物ロケットで10月末にISSに向けて打ち上げられた。残る5キログラムも、来年1月中に別の貨物ロケットで届けられる。

 オランダではチーズは代表的なおやつ。オールド・アムステルダムはウエストランド社で最も有名なチーズの1つで、世界70か国で販売されている。(c)AFP