【11月23日 AFP】「良質で安全、公正な食品」の普及を推進する「スローフード(Slow Food)運動」が、金融、環境、エネルギーの3つの危機に直面する今、多くの賛同者を集めている。

 1986年にイタリア・ピエモンテ(Piedmont)州で運動を発足させたスローフード協会会長カルロ・ペトリーニ(Carlo Petrini)氏が18日、フランス西部トゥール(Tours)で行われた食の祭典「エウロ・グスト(Euro Gusto)」でAFPに明かした。

 運動の目的は、伝統的で健全な食料生産の方法を人々に教え、食料供給における生物多様性を守ること。これまでに160か国以上の約10万人が会員登録をしたという。

 ペトリーニ氏は、「人間の欲は肥沃な土壌、水、生物多様性を破壊してきた。資源は無尽蔵にあるわけではない」と警告を発した上で、「持続可能な農業と小規模から中規模の農家を育てる真の推進力を強化する必要がある」と説いた。

 同氏は、食料生産手段を変革する鍵は、地元レベルの技術戦略を結集して地球規模の力を作り上げていく「地球規模の行動」にあると考えている。「人は、地元レベルでのみ、受け身の市民で終わらずに変革の力になることができる」と、ペトリーニ氏は語った。(c)AFP