【11月16日 AFP】米コロラド(Colorado)州ジェファーソン(Jefferson)郡の教育委員会が、教育予算の削減による減収を補う手段として成績表に広告スペースを設けている。

 郡内91の公立小学校で生徒たちに手渡される成績表には5センチの広告スペースが設けられ、コロラド州の教育課が運営する非営利団体「カレッジインベスト(Collegeinvest)」の広告が掲載された。

 カレッジインベストは、大学の学費を目的とした預金プログラムなど、州内の生徒たちの大学進学を支援する非営利団体だ。

 同郡教育委は、3年間で9万ドル(約700万円)の収入を見込む。

 だが、この程度の収入では焼け石に水かもしれない。ジェファーソン郡は昨年度、州および連邦予算の教育関連予算削減のあおりで助成金が400万ドル(約3億800万円)も減らされたうえ、学校からの固定資産税収入も落ち込んでいる。

 だが、同郡教育委の広報担当、メリッサ・リーブス(Melissa Reeves)氏はAFPとの電話インタビューで、あらゆる増収手段を求めてどこへでも行くと、強気に語った。

 カレッジインベストの広告は、「貯蓄のヒント:時は、あなたの味方」とのキャッチフレーズで、大学を目指す子どもを持つ親たちに、学費預金を呼びかけるものだ。

 カレッジインベストのマーケティング責任者、アンジェラ・バイヤー(Angela Baier)氏は、成績表に掲載された広告について「公共サービスのお知らせだと考えている。なぜならカレッジインベストは非営利団体だし、子どもを持つ親たちを支援するものだからだ」と、地元テレビに説明している。

 郡内に幼稚園から高等学校まであわせ計8万6000人の児童・生徒を持つジェファーソン郡の各学校は、すでにバスの広告スペースを地元銀行に販売している。

 米全土が経済苦境にあるなか、リーブス氏は数年以内にも7000万ドル(約3億7500万円)の経費を削減することになると予測している。(c)AFP