【11月4日 AFP】16歳の英国人女子高校生が今月、世界最年少での南極点スキー踏破に挑む。 

 アメリア・ヘンプルマンアダムス(Amelia Hempleman-Adams)さん(16)は3日、父親の冒険家、デービッド・ヘンプルマンアダムス(David Hempleman-Adams)さんが18日から挑戦する2週間の冒険に同行することを明らかにした。デービッドさんは英国で初めて単独無補給での南極点到達に成功した人物だ。

 親子の冒険は、英国の探検家アーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)が1907年の南極遠征で引き返すことを余儀なくされた地点から始まる。南極点までのラスト156キロはスキーを使う。

 南極の気温はマイナス30度。強風が吹き荒れればマイナス60度まで下がる。アメリアさんはAFPの取材に、「経験したことのない厳しい環境におびえています。寝られるかどうかも心配。南極点は白夜だし、パパのいびきは本当にひどいし!」と笑顔を見せた。

 体力を保つため、アメリアさんは1日8000カロリーを摂取しなければならない。だが、「山ほどチョコレートを食べるのは、つらくはないんじゃないかしら」と微笑む。

 デービッドさんは、娘を過酷な環境に連れていくのは「正直、心配だ」と述べた。「わたしは脂肪をたっぷり蓄えているから(厳しい環境下でも)過ごしやすいけれど、アメリアは10代だからカロリー消費が激しい。やせているしね。彼女の寒さ対策には十分に注意を払わなければいけない」。

 それでも、「シャクルトンは常にわたしのヒーローだ。彼の足跡をたどることは素晴らしい経験で、末娘と一緒ならひとしお特別な思い出になるだろう」とデービッドさんは語った。

 なお、アメリアさんは冒険中も学校の宿題をやるのは欠かさない予定だという。「テントで過ごす自由時間はたっぷりある。1日数時間は宿題ができるはず」(デービッドさん)

 ちなみに、アメリアさんの姉のアリシア(Alicia Hempleman-Adams)さんは2005年、当時15歳で、世界最年少での北極点踏破という偉業を成し遂げている。(c)AFP