【11月1日 AFP】英連邦(Commonwealth)の首脳会議が28日、オーストラリア西部パース(Perth)で開かれ、英王室の継承権について、長女の継承や、カトリック教徒と結婚した者の継承を禁止する現行の規定を廃止することで合意した。

 英連邦のうち英女王を国家元首とする16か国は、改正について全会一致で合意した。同法を「時代遅れな規定」と述べていた英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は、改正に向けた合意について、英国の君主制の「歴史的な瞬間」だと語った。

 また、キャメロン首相は、英国国教会(Church of England)の最高権威者たる国王は今後もプロテスタントである必要があるものの、「カトリック教徒と結婚することが認められないのは、すでに他の宗教の者と結婚することについては認められていることを考えると、単純に誤りである」と語った。

 変更を目指す議論は、今年、現在第2位の継承権を持つウィリアム王子(Prince William)がキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)と結婚したことから活発化していた。

 カトリック教徒やカトリック教徒と結婚した者の王位継承は、1701年の王位継承法(Act of Settlement)で禁止された。また王位の長子相続制は封建時代から長らく続いていたものの、同法によって正式に定められた。

 王位継承法のもとでは、男子の継承者がいる場合には女子を継承者から除外することが定められている。エリザベス女王(Queen Elizabeth II)が1953年に即位したのは、兄弟がいなかったためだった。(c)AFP/Neil Sands

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