【10月31日 AFP】米アップル（Apple）の共同創業者、故スティーブ・ジョブズ（Steve Jobs）氏（享年56）は愛情あふれる思いやりの心を持った人物だったと、ジョブズ氏の実の妹モナ・シンプソン（Mona Simpson）氏が追悼スピーチで述べた。スピーチの内容は、30日の米紙ニューヨーク・タイムズ（New York Times）に掲載された。

　16日のジョブズ氏の追悼式でスピーチを行ったシンプソン氏は、ジョブズ氏が「まるで少女のように、愛について時間を費やしてしゃべった」ことを打ち明けた。また、伝説的なイノベーターで発明家として知られるジョブズ氏にとって、愛こそが「至高の美徳であり、神の中の神だった」と語った。

　またシンプソン氏は、20代のころにジョブズ氏に初めて会ったときのことを振り返った。当時、シンプソン氏は生き別れになった兄がいたことを知ったばかりだった。一方、ジョブズ氏はすでにコンピューター業界で大成功を収めていた。

　さらにシンプソン氏は、ジョブズ氏が妻のローリーン（Laurene）さんに初めて出会った日に語ったことを紹介した。ジョブズ氏はたたみかけるようにこう話したという。「とても美しい女性がいて、とても聡明で、それに犬を飼っていて、それでぼくが彼女と結婚するんだ」

　ジョブズ夫妻は20年間の結婚生活を過ごし、3人の子どもをもうけた。ジョブズ氏の死去の数時間前に、3人の子どもはジョブズ氏の病室にそろったという。闘病生活で衰弱したジョブズ氏は、3人を眺めて時間を過ごした。

　シンプソン氏によると、ジョブズ氏の最後の言葉は、「Oh wow. Oh wow. Oh wow」だった。(c)AFP