【10月18日 AFP】事業に失敗して家を離れ、ひたすら世界を歩き続けてきたカナダ人、ジャン・ベリボー(Jean Beliveau)さん(56)が16日、ついに故郷のモントリオール(Montreal)に到着。11年におよんだ徒歩での世界一周を達成した。

 モントリオールの市庁舎前では、家族や支援者、政治家ら多数が集まり、ベリボーさんを英雄として出迎えた。11年ぶりに息子と再会したベリボーさんの母親は、ベリボーさんを固く抱きしめた。世界一周の間、ベリボーさんを励まし金銭面でも支えてきたガールフレンドのルースさんや、ベリボーさんと前妻と間の子どもたち2人らの姿もあった。

 集まった人々を前に、ベリボーさんは「私たちは一人一人が、みな違う。だからこそ地球上の生命は美しいんだ。(肌の)色も違えば信仰も違うし、政治体制も異なる。その一つ一つが音符のようなもの。それが調和すれば1つの音色となる」と訴えた。

■今後の目標は「平和省」の創設

 今のベリボーさんの新たな目標は、カナダをはじめ各国政府に「平和省」の創設を訴えかけることだという。

 ベリボーさんは45歳の誕生日を迎えた2000年8月18日、事業の失敗を機に、その苦しみを克服しようと、ジョギングでの世界一周を思い立った。ベリボーさんが訪れた国は64か国、歩いた距離は計7万5000キロに達した。 

 メキシコでは9日間、つかの間の恋に落ち、スーダンではターバンを巻きひげもたくわえた。中国ではヘビを食べ、フィリピンでは武装警察に護衛されたという。(c)AFP

【図解】
11年かけて達成した徒歩での世界一周

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