【10月12日 AFP】人生をパーンと華やかに締めくくってあの世へ行きたいか、それとも自分の墓を訪ねてくれる人に、テクノロジーの力で死後ももっと自分のことを知ってもらいたいか・・・米国では起業家たちがそうしたさまざまな要望に応えてくれる。

 米アラバマ(Alabama)州ストックトン(Stockton)にある狩猟区管理人2人が設立した新会社「ホーリー・スモーク(Holy Smoke)」は、ユニークなサービスを提供している。火葬した遺灰をピストルの弾丸、あるいはショットガンの弾薬に詰めるサービスだ。

 サッド・ホームズ(Thad Holmes)さん(56)とクレム・パーネル(Clem Parnell)さん(58)は、葬式について話している時に起業アイデアを思いついた。

 同社ウェブサイトでパーネルさんはこう説明している。「前から考えていたけれど、自分が死んだら火葬してほしい。そして、遺灰をターキー(七面鳥)狩猟用のショットガンのシェルに詰めて、誰かにそれでターキーをハントしてほしい。自分の遺灰でターキーを仕留めてもらうんだ」・・・「1羽のターキーが最後に見たのが、秒速900フィートでうなりながら向かっていった自分だと思えば、浮かばれるというものだ」

「ホーリー・スモーク」では実際の火葬は行っていないが、顧客やその家族の遺灰を「慎重に敬意をもって」詰め直すことを約束している。詰める先は、ライフル用カートリッジ100個、またはピストル用カートリッジ250個、またはショットガン用弾丸の中から選べる。すべて「高品質、手動装填」だ。

「ホーリー・スモーク」いわく「環境にやさしい」このサービスの価格は850ドル(約6万5000円)から。「このサービスによるエコロジカル・フットプリント(人間が環境に与える負荷)は、現在行われている他の埋葬方法と比べればゼロに等しい」と胸を張る。

 狩りほどワイルドなのはご免だと思うならば、ホームズさんは遺灰を詰めた弾丸は家族を守るのに最適だという。「誰かが家に押し入ってきたら、自分の遺灰で家族を守れる。死んでいるにもかかわらず」

■続きはウェブで

 もう少し伝統的な葬儀ビジネスながら、現代のテクノロジー要素を取り入れたベンチャーもある。米IBMの元エンジニア、グレッグ・ヤング(Greg Young)氏とザカリー・ガーボー(Zachary Garbow)氏が始めたQR(クイックレスポンス)コードを墓碑に入れるサービスだ。 
 
 このバーコードを入れておけば、よく広告で使われているように、スマートフォンのカメラでこれを撮影し、転送先のウェブサイト上でさらにたくさんの情報を見ることができる。

 墓地のQRコードは「思い出コード」として使われ、転送先の葬儀業者のウェブサイトには、生前の写真や弔辞、追悼の言葉などを掲載できる。AFPの取材に対しヤング氏は、すでにアイオワ(Iowa)州とウィスコンシン(Wisconsin)州で約100の墓碑にQRコードが刻まれていると語った。1件につき100ドル(約7600円)程度で可能だという。(c)AFP/Fabienne Faur