【10月11日 AFP】現在も動く世界最古の自動車とされている蒸気自動車が7日、米国で競売にかけられ、460万ドル(約3億5000万円)以上で落札された。

 蒸気自動車「De Dion-Bouton et Trepardoux Dos-a-Dos Steam Runabout」、通称「侯爵夫人(La Marquise)」は、フランスで1884年に作られた。米ペンシルベニア(Pennsylvania)州ハーシー(Hershey)で開かれた競売で、予想落札価格の2倍を超える高値で落札された。落札者の身元は明らかにされていない。

 競売を開催したRMオークションズ(RM Auctions)によると、最高速度は時速61キロ。過去127年でこの車を所有したのは4人だけだという。

「侯爵夫人」は1887年の史上初の自動車レースに参加し、その後ロンドン(London)・ブライトン(Brighton)間を4回にわたって走行した。2007年に米テキサス(Texas)州の収集家、故ジョン・オクイン(John O'Quinn)氏が350万ドル(約2億7000万円)で購入していた。

 米メディアによると、英国立自動車博物館(National Motor Museum of Britain)に展示されている別の自動車も、「世界最古の自動車」との看板を掲げている。だが1875年に作られたそちらの車は3輪自動車で、ボイラーの世話をする人が車の横に付き添う必要もあり、現代の自動車とはほとんど似ていない。

 フランスの自動車メーカー、ドディオン・ブートン(De Dion-Bouton)が、同社の創設者ドディオン(De Dion)伯爵のために「侯爵夫人」を製造した。侯爵夫人という名称は、同伯爵の母親からとられたものだという。(c)AFP