【10月8日 AFP】オランダ鉄道は7日、トイレが付いていない短距離路線の列車に非常時用として「トイレ袋」を用意したと発表した。

 オランダ鉄道の広報担当者はAFPの取材に対し、「今日から、列車が立ち往生した場合などの非常時に乗客に配布できるよう、各列車にプラスチック製の袋を用意した」と語った。

 緊急時に乗客が用を足したくなった場合、車掌や運転士がこの袋を乗客に渡し、乗員のいない後部の運転室で用を足してもらう。袋には、水分が加わるとジェル状に変わるパウダーが入っており、用を足した後はそのまま運転室に置き去っても、降車した後に乗客が自分で捨ててもよい。

 しかし、オランダ放送協会(NOS)がインタビューした利用客、特に女性の反応は芳しくない。ある女性は「本気なのかしら?ありえないわよね。あんなところで使うなんて想像もできないわ。男性ならまだいいかもしれないけれど、女性には無理よ」と話した。

 運転士たちも自分たちの職場がトイレに早変わり、というアイデアに憤慨している。オランダの運転士労組VVMCのウィム・エイレルト(Wim Eilert)氏はオランダ通信(ANP)に対し「最初に聞いたときには冗談だろうと思った。誰かが仕事をしなくちゃいけない場所で、人にトイレをさせるなんてありえない。とても嫌だ」と語った。

 鉄道の広報担当者によると、今年に入ってオランダ下院で、2015年からトイレが設置されてない車両を購入することはできないとする動議が可決されているという。(c)AFP