【9月27日 AFP】第二次世界大戦中の1941年、英国の艦船ゲアソッパ(Gairsoppa、全長125メートル)は、独軍の潜水艦の攻撃を受け積荷の大量の銀とともに海底に沈んだ。

 ゲアソッパの探索を続けていた米フロリダ(Florida)州を拠点とする海底探査会社オデッセイ・マリン・エクスプロレーション(Odyssey Marine Exploration)が26日、ゲアソッパの位置を突き止めたと発表した。ゲアソッパはアイルランド沿岸から490キロ沖の北大西洋に沈んでいるという。

 積荷の銀219トンは、現在の価格に換算すると2億1000万ドル(約160億円)で、これまでに発見された沈没船から見つかった貴金属類としては史上最高額となる可能性がある。

 オデッセイ・マリン・エクスプロレーションのシニア・プロジェクト・マネジャーのアンドルー・クレイグ(Andrew Craig)氏は、ゲアソッパの探索段階は成功し、現在は引き上げ作業計画を進めていると語った。実際に引き上げ作業に着手するのは来春になる見通しだという。

 1941年2月、ゲアソッパは銀や銑鉄、茶葉を積み、インドから英国に向け航行していた。燃料が不足してきたゲアソッパは、艦船の一団を離れてアイルランドのゴールウェー(Galway)に進路を取った。だが北大西洋の戦闘海域でドイツ軍の魚雷をうけて沈没。乗組員85人のうち、生き残ったのはわずか1人だった。

 ゲアソッパは海底4700メートルの深海に沈んだため、数十年の間、この世からは消えたも同然となっていた。以前に行われた探索の試みも失敗に終わっている。(c)AFP

【動画】オデッセイ・マリン・エクスプロレーションが公開した艦船の映像(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)