【9月3日 AFP】5月にドイツのバイエルン(Bavaria)地方の農場から逃げ出し、懸賞金までかけられてドイツとオーストリアのメディアの脚光を浴びていた雌牛のイボンヌ(Yvonne)がついに捕まった。独紙ビルト(Bild)のウェブサイトが1日、報じた。

 現地の当局者によると、イボンヌは飼われていた農場から6キロほど離れたバイエルンアルプスのアイゲルスベルク(Eigelsberg)で見つかった。

 オーストリアのケルンテン(Carinthia)州からバイエルンの農場に売られてきたイボンヌは、肥育されて食肉処理されるはずだったが、5月24日に逃げ出していた。

 地元当局は、交通の妨げになる恐れがあるとして地元のハンターたちにイボンヌを見つけたら射殺するよう求めたが、8月にビルト紙がイボンヌを見つけた人に1万ユーロ(約110万円)の懸賞金を支払うと1面に掲載したところ、イボンヌ探しは一挙に熱を帯びた。ハンターや地元の人たちは大挙して森に入った一方、オーストリアの動物保護団体は生け捕りにされた場合はイボンヌを買い取ると発表した。

 イボンヌは逃走中に森の中の道でパトカーの目の前に現れたこともあった。目撃情報のあった場所に赤外線カメラを搭載したヘリコプターを飛ばしたり、アフリカで動物を追跡した経験があるという人もイボンヌ探しに加わったりしたが、なかなか捕まらなかった。

 テレパシーで毎日イボンヌと会話しているという女性も現れた。オーストリアのブリッタ・フライターク(Britta Freitag)さんによると、イボンヌはもう自分が傷つけられることはないだろうと思ってはいるものの、オーストリアの農場からバイエルンに連れてこられたときの苦しみを思うと、なかなか人間の前に現れる決心が付かないと言っていたという。(c)AFP