【8月9日 AFP】オーストラリアの探検家、ジェームズ・カストリッション(James Castrission)氏(29)とジャスティン・ジョーンズ(Justin Jones)氏(28)は2日、南極大陸の端から南極点までを歩いて往復する世界記録樹立に挑戦する計画を発表した。

 出発は今年10月。1911年のロアール・アムンゼン(Roald Amundsen)とロバート・ファルコン・スコット(Robert Falcon Scott)による有名な南極点到達競争の100周年にあわせた。

 2人は2008年、史上初めてオーストラリアからニュージーランドまでカヤックで渡る記録を達成した。南極踏破は3か月かかる予定で、重量160キロのそり2つに食料などの荷物をすべて積み込む。踏破距離は2200キロを超える。

 カストリッション氏は「タスマン(Tasman)海横断はただの準備運動だったのさ。南極は肉体的にも精神的にもはるかに厳しいものになるだろう」と述べ、がんを患っている子どもたちのための基金を集める計画だと付け加えた。

「大きく開いた氷河の裂け目、刺すような寒さ、低体温症、凍傷などの危険性がつきまとう。常にこういった問題に立ち向かうことになるだろう」「肉体の限界に挑むとはいえ、がんを患っているオーストラリアの若者たちの苦難とは比較にならない。だからこの冒険を共有し、連帯の精神のもとで基金を集めたいと考えたのさ」(カストリッション氏)

 これまでに南極点に徒歩で到達した人は約58人。だが、徒歩で往復した者はいない。

 ノルウェーのアムンゼン隊は、1911年12月に史上初めて南極点に到達した。ライバルの英国のスコット隊はアムンゼン隊にわずかに遅れて南極点に到達したが、その帰路で全員が死亡した。(c)AFP