【8月4日 AFP】イタリアのピサ(Pisa)市が、同市が誇る観光名所「ピサの斜塔」などの文化遺産のイメージを損ねかねない悪趣味な土産品の取り締まりを開始した。きわめて俗悪と判断した場合には、罰金を科して厳しく対処する。

 早くも1日、股間部にピサの斜塔をあしらったデザインのボクサーパンツを販売していた5人に、「礼節に有害な商品」を販売した罪で、1人500ユーロ(約5万7000円)の罰金が科せられた。

 このほかにも、ミケランンジェロのダビデ像の裸体をデザインしたエプロンや、思わせぶりにポンペイの遺跡が描かれた下着も、取り締まりの対象となる見込みだ。

 マルコ・フィリッペスキ(Marco Filippeschi)市長は、「このようなぞっとする品々を、土産物屋の店先から排除せねばならない」と糾弾。地元の教会も「俗悪で信徒に不快感を与える」と、市長に同調した。

 フィリッペスキ市長は、「販売できる土産物と、そうでない土産物については、自治体条例によって定められている。よって、(文化遺産への)敬意を欠いた土産物は取り締まる」と主張した。

 ピサのほか、フィレンツェ(Florence)、シエナ(Siena)などは2日、各市が環境保護の権限をより強化できるよう、トスカーナ(Tuscan)州政府に要請した。

 ピサの斜塔などがあるドゥオーモ広場における「俗悪な土産品」の撤廃運動を支持してきた美術評論家のフィリペ・ダベリオ(Philippe Daverio)氏は、「文化遺産には敬意を表すべきで、そのために勇気が必要となる時もある」とコメントしている。(c)AFP