【7月20日 AFP】コンゴ民主共和国(旧ザイール)東部の南キブ(Sud-Kivu)州ウビラ(Uvira)。今日が市場の日とあって、カビンビラ(Kavimvira)地区に小さな食堂を構える女主人、リジキ・マペンド(Riziki Mapendo)さん(30)は大忙しだ。

 マペンドさんは9人の子持ちだ。竹で編んだ食堂をオープンしてからまだ1年もたっていないが、ビジネスは順調だと言う。

 彼女は、女性支援団体Women for Women InternationalWWI)が提供する職業訓練の恩恵を受けた1人だ。同団体は、シングルマザー、性暴力被害者、帰還難民など、立場の弱い女性たちの自立を目指して、これまでに数千人の女性たちに職業訓練を行ってきた。

「訓練を受ける前はマニオクを作っていたけれど、大したもうけにはならなかった」とマペンドさん。今では一日に約200食を作り、約4000コンゴ・フラン(約350円)程度のもうけを得ている。「本当に忙しいけれど、これで家族を養っていける。子どもたちも学校に通っているし。何より、仕事が楽しいの」と、満面の笑みを浮かべた。

 2人の子を持つマリー・マソカ(Marie Masoka)さん(38)は、内戦のさなかにタンザニアへ逃れたが、6年後の2005年、コンゴに帰還した。去年WWIの訓練を受けた後、市場に近い自宅で、夫とともに石けんの製造・販売業を始めた。「職業訓練では、石けん作りの技術だけでなく、経理や販売、仕入れの仕方も教わった。本当に助かりました」とマソカさん。

■起業も促進

 WWIは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の資金援助も受け、今年だけで南キブ州の女性3400人に職業訓練を行った。女性たちは12か月以上をかけて、職業訓練のほか、起業について学ぶ。その内容は、「協同組合の一員になるには」「ローンを申し込むには」「安全に預金するには」などだ。

 読み書きのレッスンも提供されている。また、訓練期間中は月に10ドル(約790円)が支給される。

 WWIの訓練関係者は次のように語った。「目的は、女性たちを社会へ再統合することです。女性たちは安定した収入、健康な体、権利の擁護、そしてほかの女性たちとのかかわり合いを必要としています」(c)AFP/Emmanuel Peuchot