【7月17日 AFP】インドで15日に発表された人口調査によると、地方部の子どもにおける女児の比率が急減した。性別を選択して出産するための技術が、インドの最も辺境な地域にまで達したことが示唆される。

 最新の調査で、インド農村世帯における6歳以下の男女比は、男児1000人に対して女児が919人だった。2001年には男児1000人に対して女児が934人だったことから、大幅な女児の減少となった。都市部で入手できる安価な持ち運び式の超音波装置が、農村部でも使われ、性別選択による違法な中絶で男児が産み分けられているとみられる。

「以前は農村部住民はソノグラム(超音波検査)を受けるのに都市部まで行く必要があった」と、非営利団体「インド人口財団(Population Foundation of India)」のPoonam Muttreja事務局長は語る。「今では、ソノグラム提供者が農村部に訪問して、男児を出産したい人の求めに応じている」

 一方、都市部における6歳以下の男女比は、男児1000人に対して女児902人と、農村部よりもさらに開きがある。だが都市部は2001年時点ですでに同906人だった。農村部のほうが女児の比率が急落している。

 インド全国における男女比は、男児1000人に対して女児914人と、1947年の同国独立以降最低となっている。世界の男女比は、男児1000人に対して女児は1050人だ。

 英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」が2006年に発表した研究によると、インドで中絶される女児は、毎年最大で50万人に上ると推計されている。(c)AFP/Ammu Kannampilly

【関連記事】中国とインドに集中する「失われた女性」たち、その背景にあるもの