【7月11日 AFP】国連(UN)は7日、加盟国が2000年に採択したミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)が掲げる2015年を達成期限とした8つの目標の進捗状況に関する報告書を発表し、「極度の貧困と飢餓の撲滅」の進捗状況については、よしあしが入り混じった状況だとの見方を示した。

 第1段階での達成目標の1つである「飢餓に苦しむ人々の割合を半減させる」については、その割合は1990年時の20%から2005年に16%まで減った後、2007年まで横ばいが続いている。このような傾向と、経済危機や食糧価格の高騰を踏まえると、途上国の多くの地域において、この目標の達成は困難だと報告書は指摘している。
 
 特に「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ大陸東部では、60年来で最悪の干ばつで約1000万人が飢餓状態にあると警告。さらに、世界の貧困人口は大幅に減っているのに対し、世界全体での飢餓人口は劇的な減少には至っていないと懸念を示した。

 世界食糧計画(WFP)が年内にも、途上国における食糧政策の見直しを行う予定だという。

 一方、世界の貧困率については、世界銀行(World Bank)のデータから、2015年までに目標の23%を大きく下回る15%を達成できる見通しだと、報告書はまとめている。特に中国を中心とする東アジアでの貧困解消が目覚しく、中国では2015年に貧困率5%以下を達成できる見込みだという。(c)AFP