NZで一番有名なヒツジのシュレックが死ぬ、放浪生活送った人気者
このニュースをシェア
【6月7日 AFP】ニュージーランドで最も有名なヒツジ、メリノ種のシュレック(Shrek)が、同国南島の農場で死んだ。所有者が7日、発表した。
シュレックは1998年、群れの中からいなくなり死んだものと思われていたが、6年後の2004年、山の洞穴の中にいたところを見つけられた。発見時、シュレックの毛は伸び放題になっていたため、シュレックは通常のヒツジの3倍のサイズにふくれあがっていた。
430万人の人口よりもヒツジの数が10倍多いニュージーランドの国民は、この放浪ヒツジをこよなく愛した。シュレックの伸びすぎた毛を刈り取る際には、テレビ局が生放送までした。シュレックの羊毛は、通常のヒツジからとれる毛の6倍の重さの27キロもあったという。
■首相との会談も果たす
毛を刈り取ったシュレックは、首都ウェリントン(Wellington)の国会に招待され、当時のヘレン・クラーク(Helen Clark)首相との「会談」も果たした。シュレックを扱った児童書も数冊出版され、シュレックはチャリティーイベントの常連となった。
だが、16歳になったシュレックは健康状態が悪化し、所有者のジョン・ペリアム(John Perriam)さんによると、ついに前週末にかけて殺処分をされることとなった。
「あいつは信じられない個性を持っていた。子どもたちのことが大好きだったし、老人ホームではお年寄りにやさしい奴だった」と、ペリアムさんは振り返った。
慈善団体「キュア・キッズ(Cure Kids)」のジョシー・スピレーン(Josie Spillane)さんは、シュレックが集めた寄付金はあまりに多く、総額の推計を出すのも不可能なほどだと語った。
報道によると、シュレックの追悼式典は今週、テカポ(Tekapo)の「良き羊飼い教会(Church of the Good Shepherd)」で執り行われる。(c)AFP