【5月31日 AFP】スウェーデンのカール16世グスタフ国王(King Carl XVI Gustaf、65)は30日、珍しい長時間インタビューに応じ、自分がストリップ・クラブを訪れたり、間接的に組織犯罪とつながりがあるといったメディア報道を強く否定した。

 グスタフ国王周辺には最近、いくつかのスキャンダルが持ち上がっている。そのひとつ、国王が性風俗店を訪れ、裸の女性2人と一緒に撮影した写真をマフィア組織の元構成員が持っているとの報道について、国王は「そんなものが存在することなどありえない。また誰も見たことのないものについてコメントすることなど不可能だ」とスウェーデン通信(TT)の取材に答えた。

 放送局TV4は2週間前、あるジャーナリストがその写真を見たと報じた。これに対し、スウェーデン王室はそうした主張を裏付ける映像証拠を示すよう要求している。TV4はまた国王が大金を積んでこの写真の公開を阻止しようとしているとも報じていた。

 同じスキャンダルは、最近出版されたばかりの国王の幼馴染とされる人物に関する本にも記されていた。この人物は前週、自分自身が組織犯罪に関与していたことは認めたが、グスタフ国王はまったく関係ないと明言している。グスタフ国王自身も今回のインタビューで、友人が何をしているかについて自分は知らなかったし、またこの友人と距離も置いていたと語った。

 そしてスキャンダルによって「私への信頼、そして王制、さらにはスウェーデンへの信頼が揺らいだことを非常に遺憾に思う。(信頼を)回復するために今後はこれまでの倍、努力していきたい」と語った。

 最近のスキャンダルの発端となったのは半年前に出版されたグスタフ国王に関する暴露本で、この中には国王がエロティックなパーティーに参加し、若い女性たちと関係を持ったとの記述があった。また国王の妻でドイツ生まれのシルビア王妃(Queen Silvia)が最近、ナチス党員だった自分の父親の過去について調査を立ち上げたと王室が発表した矢先でもあった。

 同じ本の中で国王が数回、数か所のストリップ・クラブを訪れたことがあるという記述についても「まったく分からない」と国王は否定した。

 こうしたスキャンダルの中、いくつかの世論調査では大半のスウェーデン人が、国王はすぐに退位し、父親よりも人気の高いビクトリア王女(Crown Princess Victoria、33)に王位を継承すべきだと考えているという結果が出ている。

 グスタフ国王は一般的な定年年齢の65歳の誕生日を先月迎えたが、このインタビューの中でも「伝統と慣習というものがあり、ゆえにそうしたことはすぐには起こらない」と退位を否定した。(c)AFP