【5月12日 AFP】イタリアの地震学者が予言していた大地震が発生する日と噂された11日、首都ローマ(Rome)では市民の約2割が仕事や学校を休み、普段は車や人でごった返している市街が閑散とした。

 現地NPO「消費者とユーザーの権利のための協会」(ADUC)のプリモ・マストラントーニ(Primo Mastrantoni)会長によると、11日はローマの「20%の市民が欠勤した一方で、ホテルや農業体験観光施設などは予約が混んだ」と言う。

 ローマ市内では、いつもは渋滞している道路に車は少なく、地下鉄や学校周辺など混み合う場所も閑散としていた。中華料理店が集まるエスクイリーノ(Esquilino)地区では、「病気につき休業」、「仕入れ中」といった貼り紙が目立ち、10軒中9軒が店を閉め、市内から脱出した様子だった。

 噂の元になっている地震学者ラファエレ・ベンダンディ(Raffaele Bendandi)氏の業績を研究している団体はその遺稿を調査し、同氏が地震発生の予言などしていないことを突き止めたと発表したが、デマの広がりを止める効果はほとんどなかった。市民防災局とローマ市役所も市民に向けて、地震は起きないと強調するのに躍起となり、政府の地震研究所までもが「永遠の都」ローマに大地震が来たことはないと説得に乗り出すほどだった。

 こうした沈静化にもかかわらず、古代ローマの大競技場の遺跡チルコ・マッシモ(Circo Massimo)では、フェイスブック(Facebook)で集まったグループ400人が、屋外の広大なスペースでキャンプをしながら夜を明かした。市内各地の多くの公園でも、地震を避けるため戸外での集いが呼び掛けられた。(c)AFP

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