米タイム誌「影響力のある100人」、エジプト革命の英雄も
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【4月22日 AFP】米誌タイム(Time)が毎年発表している「世界で最も影響力のある100人」に、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者やカナダ人歌手ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)さんらと並んで、エジプト革命の英雄となった米グーグル(Google)幹部のエジプト人、ワエル・ゴニム(Wael Ghonim)氏(30)が選ばれた。
タイム誌に掲載されたゴニム氏の人物評は、次期エジプト大統領とも目されるモハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)前国際原子力機関(IAEA)事務局長が寄せた。
「ゴニム氏は、エジプト社会の大部分を占めている若者を体現する存在だ。何十年にもわたって恐怖の文化が浸透した社会の中で、物事は変わり得るのだという希望を失い、同世代の多くの若者たち同様に政治に無関心だった。しかし、平和的なデモと市民的不服従の権利を行使した時にのみ政権は耳を貸すのだということを触れ回って、平和的デモの呼び掛けを促した」と、エルバラダイ氏は批評している。
中東・北アフリカの民衆蜂起からは他にも、チュニジアのラッパー、ハマダ・ベン・アモル(Hamada Ben Amor)さんも選ばれた。「エル・ヘネラル(El General)」名義の作品「Rais Lebled(大統領閣下)」が、23年間政権の座にいたジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)前大統領を退陣させた蜂起を刺激したという理由だ。
一方、100人の中には彼らとは対局にいる人物も入っている。リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の次男で、反体制派の運動を粉砕すると明言したセイフ・アルイスラム・カダフィ(Saif al-Islam Kadhafi)氏だ。タイム誌は同氏を演説を「機関銃のよう」と表現した。
政界からは、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領とジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官、さらにミシェル・オバマ(Michelle Obama)大統領夫人らが入ったが、中国やインドなどアジアの大国の指導者たちの名は挙がらなかった。
アイドルでは、韓国からポップ歌手で俳優のピ(Rain)さんが、前述のビーバーさんや女優ブレイク・ライブリー(Blake Lively)さんと一緒にリストアップされた。一方、前年のリストで話題を呼んだ米歌手レディー・ガガ(Lady Gaga)さんは、意外にも今年は外れた。
「中国流育児法」を紹介した著書が欧米で物議を醸しながらベストセラーとなった中国系米国人、エイミー・チュア(Amy Chua)さんや、29日の結婚式に世界の注目が集まる英国のウィリアム王子(Prince William)とケイト・ミドルトン(Kate Middleton)さんもそろってリストに入った。(c)AFP