【4月11日 AFP】欧州で国内のイスラム教徒人口が最も多いフランスで11日、イスラムの女性が顔をすべて覆うベールを禁止する法律が施行された。

 欧州では同様の動きが広がっているが、実際に禁止法を施行したのはフランスが初めて。ベルギーでは同様の法律が議会を通過しているがまだ施行されていない。オランダでは極右組織などの指導者らがやはりブルカの禁止法を提案している。イタリアでは右派の北部同盟(Northern League)が今回のフランスの法律をモデルにロビー活動を行っている。

 同法の施行によってフランスでは、社会的緊張が増すおそれがある。施行に先立ちパリ(Paris)では9日、ベールをかぶった女性19人を含む59人が、禁止されていた抗議行動を決行して逮捕された。またこの集会に参加しようと、英国とベルギーから入国しようとした2人が身柄を拘束された。

 顔全体を覆うベールの着用は中東および南アジアでみられるイスラムの慣習だが、フランス当局は同国に居住するイスラム教徒400~600万人のうち、このベールを実際に着用している女性は2000人程度と推計している。

 一方、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者などイスラム原理主義者たちはこの禁止法はフランスがイスラムに戦いを挑んでいるあらわれだとして、フランスへの攻撃を呼び掛けている。(c)AFP/Dave Clark

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