【3月22日 AFP】米国小児科学会(American Academy of PediatricsAAP)は21日、乳幼児が2歳になるまでは後ろ向きチャイルドシートを使用するべきだとの提言を、米小児科専門誌「ペディアトリクス(Pediatrics)」4月号に発表した。

 AAPは、後ろ向きチャイルドシートの方が乳幼児の保護効果が高いと述べ、2歳になるか、あるいはチャイルドシートの最大許容体重・身長を超えるまで、後ろ向きで使用を続けるべきだと提言した。

 また、ジュニアシートの利用についても、子どもが8~12歳の年齢の間は、身長が1メートル44センチに達するまで使用を続けるべきだと提言した。

■2002年の提言では「1歳まで」

 AAPが2002年に行った提言では、後ろ向きチャイルドシートの利用について、乳児が12か月になるか、または体重が9キロになるまでを最低基準として推奨していた。結果として多くの親が、赤ちゃんが1歳になると後ろ向きに設置したチャイルドシートを前向きに変えていた。

 提言書と添付技術報告書の主執筆者、デニス・ダービン(Dennis Durbin)氏は、「親は、(赤ちゃんが)ある段階から次の段階に成長するのを待ち望むことが多いだろう。だがこういった移行は、子どもが成長して、ひとつの段階を完全に超えるまで待つことが望ましい」と語った。

「後ろ向き座席の方が、万が一の事故の際に、乳幼児の頭や首、背骨をよく保護することができる。後ろ向きの場合、衝突の衝撃を体全体で受け止めることができるからだ」

■衝撃を分散する後ろ向きチャイルドシートは保護効果が高い

 AAPによると、16歳未満の子どもの交通事故による死亡率は、1997年から2009年の間に45%減少した。だがそれでもなお、交通事故による死亡は、米国の4歳以上の子どもの死因の中で最も多い。

 負傷防止研究の専門誌「Injury Prevention」に掲載された2007年の研究によると、後ろ向きチャイルドシートに乗っていた場合は、2歳未満の子どもが事故で死亡する可能性が75%減るという。

「小柄な子どもは長期間、後ろ向きのチャイルドシートに乗ることができるだろう。逆に、2歳になる前に最大許容体重や身長を超える成長の速い子どももいるだろう」

 また、AAPは、子どもは13歳まで後部座席に乗せるべきだと推奨した。(c)AFP