【3月20日 AFP】世界的な人気者となったドイツ、ベルリン動物園(Berlin Zoo)のホッキョクグマのクヌート(Knut)が19日、飼育舎内のプールで死んでいるのが見つかった。4歳だった。動物園側の発表によると死因は不明。

 クヌートは2006年12月に生まれ、誕生時の体重は9キロ。同動物園でクマの赤ちゃんが生まれたのは30年ぶりだった。その後、一緒に生まれた兄弟ともども母親に「育児」を拒否され、ある動物愛護運動家が安楽死させるべきだと主張して以来、メディアの注目を集め、世界中で大きく取り上げられた。

 ベルリン動物園で育てられることになったクヌートが2007年3月に初めて公開された際には世界中から100人の報道陣が集まる人気ぶりで、クヌートにあやかったグッズや特別見学料などでベルリン動物園の「ドル箱」となった。

 クヌートの「育児係」となった飼育員、トーマス・ドーフライン(Thomas Doerflein)さんも、哺乳瓶でミルクを与え、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)の歌をギターで弾き聞かせる姿が報じられた。ドーフラインさんは2008年に心臓発作のため44歳で急逝した。

 その後クヌートは、母熊のトスカ(Tosca)と同じ飼育舎で、他の2匹のメスグマのナンシー(Nancy)、カチューシャ(Katjuscha)と共に暮らしていた。このうちのどちらかがクヌートの花嫁になればという期待もあったが、メスたちはクヌートにかみつくなど暴力的な態度を見せた。ネットには、カチューシャがクヌートののど元に飛びかかり噛み付こうとしたあと、クヌートを池に突き落とす映像が投稿され、クヌートを心配する声があがっていた。(c)AFP

【動画】元気な頃のクヌート(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)