15世紀から続く伝統の「パンケーキ・レース」 英国
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【3月9日 AFP】英バッキンガムシャー(Buckinghamshire)州オルニー(Olney)村で8日、15世紀にさかのぼる伝統あるパンケーキ・レースが行われた。
キリスト教で「レント(Lent)」と呼ばれる「四旬節」が始まる前日に当たる「告解の火曜日(Shrove Tuesday)」は伝統的に、四旬節の断食前にごちそうを食べることが許された日で、英国では「パンケーキ・デー」とも呼ばれる。
パンケーキ・レースの歴史は、1445年までさかのぼる。「告解の火曜日」に家事に追われていた女性が、ミサの始まりを告げる教会の鐘が響くのを聞き、焼きかけのパンケーキが入ったフライパンを持ったまま大慌てで教会に駆け込んだことが始まりと言われる。それから5世紀半を経た現在も、この伝統は生き続けている。
さわやかな快晴に恵まれた今年の「パンケーキ・デー」。村の中心にあるマーケット広場のスタートラインには、エプロンとスカーフを身に着けた29歳から61歳までの16人の女性が並び、午前11時55分きっかりにスタート。パンケーキの入ったフライパンを持って415ヤード(約380メートル)の通りを疾走した。
「パンケーキ・レース」に何度も参加しているという女性は「神経が疲れるから、ロンドンマラソンより大変なのよ。こっちは短距離走なんだから」と話した。オルニー村のマイケル・ヒューズ(Michael Hughes)村長によると、数千人の観客が集まるパンケーキ・レースは、オルニー村の1年で最大のイベントだ。このレースのために、地図にもオルニー村が載っているという。「ほんのわずかな時間だけ、オルニー村を少しばかり世界的に有名な場所にしてくれる」。ヒューズ村長は村を代表して「パンケーキ・レースの伝統がすたれることはあり得ない」と断言する。「レースも、その歴史も大好きだから、これからも続けていくよ」(c)AFP/Robin Millard