【3月6日 AFP】米シカゴ(Chicago)のノースウエスタン大(Northwestern University)で、英国のコメディ・ユニット、『モンティ・パイソン(Monty Python)』のコントと見紛う光景が繰り広げられた。講堂で行われた「ヒューマン・セクシュアリティ(人間の性)」の授業で、「実演」が行われたのだ。

 その日のテーマは、拘束や夫婦交換などの呪物崇拝的な行為だった。授業が終わった後、専用ツールを用いたデモンストレーションを見たい人は残っても良いと言われ、およそ100人の学生と、授業を参観していた学生の母親とみられる女性1人が講堂にとどまった。

 学生たちは衣服を脱いだ女性に男性パートナーがその器具を運用する様子をかたずを飲んで見守った。「人生でたぶんずっと忘れられないと思います」と学生の1人、ジャスティンさん(21)は語る。「びっくりした顔で口元に手を当てて『オーマイガッシュ』と言ってる人が多かったです。講堂はかなり静かでした」

■即興だった実演

 実演した女性のフェイスさん(25)は、当初は自分が持っている各種ツールを紹介して質問に答えるだけのつもりだったと語る。しかし、学生が「ばかげた医学ビデオ」を見せられているのを目にして、一肌脱ぐ気になったという。

「学生の1人が、わたしは何フェチかと質問したので、人の前に出て注目を浴びて、利用されることだと答えたの。学生たちはとっても興味を示したわ」と、フェイスさんは、現地紙シカゴ・サン・タイムズ(The Chicago Sun-Times)に語った。

 授業を担当したジョン・マイケル・べーリー(John Michael Bailey)教授(心理学)は、当初はためらったものの、実演を認めることにしたという。

■騒動になり大学は態度一変

 教授は「ためらったのは、多くの人が不適切だと考える可能性が高いと思ったからだ。しかし、イエスと判断したのは、そのようなデモンストレーションを学生たちが見るべきではないという正当な理由も思い当たらなかったからだ」との声明を発表した。

 大学側は当初、「知識のさらなる進歩のため」だったとして、この「きわどい」課外授業を擁護する姿勢を示していた。しかし、先週の3日ごろから急速に話題になると学長が声明を発表し、「わが校の教員の極めて拙劣な判断だった」として、この件についての徹底的な調査と、教育のあるべき姿とは何か検討するよう命じたことを明らかにした。(c)AFP