【2月28日 AFP】リビア国民の多くからも国際社会からも非難の集中砲火を浴びている同国の最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐がいま、インターネットのミュージックビデオの世界で絶大な人気者となっている。

 動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」で再生回数が50万件を超える大ヒットとなっているミュージックビデオ「ゼンガ、ゼンガ(Zenga Zenga)」は、カダフィ大佐が22日に国営テレビで長々と行った演説を元にしたもの。「全ての家々、全ての通りの隅々まで戦い抜く」と宣言した75分間の演説の映像を、イスラエルのミュージシャン兼DJのノイ・アルーシェ(Noy Alooshe)さん(31)がクラブミュージックにのせて加工した。

 動画では、こぶしを振り上げ、演説台を叩いて声を張り上げるカダフィ大佐の映像に、腰をくねらせて踊る女性ダンサーの映像が合成されている。

 アルーシェさんは、カダフィ大佐が演説する様子に触発されて、リミックスを作成したという。「手を加えなくても、十分に笑える映像だった。まるでパロディだね」

 イスラエルからの投稿画像であるにも関わらず、「結婚式のダンスパーティーで使いたいのでDVDが欲しい」とアラビア語の書き込みが寄せられるなど、イスラエルと敵対するアラブ諸国でも人気を呼んでいる。

 アルーシェさんはイスラム教の視聴者に配慮して、女性ダンサーのいないバージョンも作成したが、こちらもすでに5万ヒットを記録している。(c)AFP

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