【2月21日 AFP】片や欧州アルプスを抱く山岳国、もう一方は南半球の海に浮かぶ広大な大陸国家――。だが、これだけ異なる2つの国を混同する人はやはり、少なくないようだ。

 先だってオーストリアのミヒャエル・シュピンデルエッガー(Michael Spindelegger)外相が訪豪した際、オーストラリアのケビン・ラッド(Kevin Rudd)外相は、オーストリア外相宛ての郵便物が誤って自分の元に届けられることがあると認めた。

 逆に、ラッド外相宛ての手紙がシュピンデルエッガー外相に配達されることもあるという。「われわれ2か国以外の人たちには、(国名の)音節の数の違いが分からないんじゃないか」とラッド外相。

 距離の上では数千キロも離れた2つの国だが、英語のつづりはアルファベット2文字が異なるだけでほとんど同じだ。このため、両国が取り違えられる事件は、これにとどまらない。

 昨年11月に韓国・ソウル(Seoul)で20か国・地域(G20)首脳会議が開催された際には、参加国首脳を歓迎するため飾られた人形で大間違いが発生。ジュリア・ギラード(Julia Gillard)豪首相の人形に、オーストリアが舞台の映画『サウンド・オブ・ミュージック(Sound of Music)』を思わせる衣装が着せられていて、市当局があわてて交換する騒ぎがあった。

 両国の混同を皮肉った映画もある。米コメディ映画『ジム・キャリーはMr.ダマー(Dumb and Dumber)』(1994年)では、ジム・キャリー(Jim Carrey)の演じる主人公がオーストリア人の知り合いに向かって「throw a shrimp on the barbie(バーベキューでエビも焼いてよ)」と言うシーンがあるが、これは豪州観光当局がCMで用いた宣伝文句だった。(c)AFP

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