【2月16日 AFP】米ラジオ番組『This American Life』が、前週末の放送で、門外不出とされるコカコーラ(Coca Cola)の製法を入手したとし、その内容を明らかにした。

 番組の冒頭、パーソナリティーのアイラ・グラス(Ira Glass)は次のように切り出した。「コカコーラのオリジナルレシピをついに見つけました。地球上で最も厳重に守られてきた企業秘密、それがいま手元にあります。読み上げましょう。本物とおわかりいただけることでしょう。コカコーラが何と言うかはさておきとして」

 コカコーラはかつて、コマーシャルで、製法は同社の最高幹部2人だけに口述で伝えられていると明らかにしたことがある。そのため、製法が永遠に失われることのないよう、2人が同じ飛行機に乗ることは禁じられているのだという。

 ところが、同番組によると、製法を記した手書きのメモは昔々ある薬局で発見されていた。調剤の古い本の中に含まれていたのだが、この本の最初の持ち主は、コカコーラを発明した薬剤師ジョン・ペンバートン(John Pemberton)の知り合いだったと見られる。コカコーラは薬局でソーダ水として販売されていたという歴史がある。

 その後、1979年になって、コカコーラの本社があるアトランタ(Atlanta)の新聞がこのメモの存在を知り、内容が読み取れるほど鮮明なメモの写真を掲載した。

■フルーツ風味の薬みたい

 番組で読み上げられた製法は、コカコーラの保存文書から発見され一部公開された製法と合致している。

 オレンジオイル20滴、レモンオイル30滴、ナツメグオイル10滴、コリアンダーオイル5滴、ネロリオイル10滴、シナモン10滴、アルコール8オンス、ライムジュース2パイント、バニラ1オンス、砂糖30ポンド、などなど。

 ところが、この製法を再現したものは今のコカコーラの味とは似ても似つかない。現代では香り付けの技術が当時より格段に優れていることもある。当時のコカコーラは、フルーツ風味の薬みたい、と表現されていた。

 一方のコカコーラは、秘密は今も守られていると主張している。広報は、「製法の秘密を暴こうとどれだけあがこうと、この世に本物は1つしか存在しない」とのコメントを出した。(c)AFP