【2月12日 AFP】世界報道写真財団(World Press Photo)が選ぶ「2010年世界報道写真大賞(World Press Photo Award)」に、南アフリカのジョディ・ビーバー(Jodi Bieber)氏が撮影した、結婚先から逃げ出した罰として耳と鼻をそぎ落とされたアフガニスタン女性ビビ・アイシャ(Bibi Ayesha)さんの肖像写真が選ばれた。同財団が11日発表した。

 紫色のスカーフを身につけた当時18歳のアイシャさんの肖像写真は、前年8月1日の米タイム誌(Time Magazine)の表紙に初めて掲載された。アイシャさんは、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)のメンバーに、夫から逃亡した罪に対する罰として、耳と鼻を切り落とされた。

 この写真を大賞に選んだ理由についてデービッド・バーネット(David Burnett)選考委員長は、声明で「『ほら、あの少女の写真だよ』と言うだけで相手に通じるような、一生に10枚ほどしか出会えない一枚になり得る写真だ」と説明した。

 この写真は、「ポートレート部門」も受賞した。

■AFPカメラマン2人が入賞

 今年の賞では、AFPカメラマンのOlivier Laban-Mattei氏とChristophe Archambault氏も入賞した。

 Laban-Mattei氏は、2010年1月のハイチ大地震の写真シリーズで「一般報道部門」を受賞した。代表的なものに、病院の遺体安置所の遺体の山に子どもの遺体を投げ入れる男性を映した写真などがある。

 一方のArchambault氏は、インドネシア・ジャワ(Java)島東部のブロモ(Bromo)山の噴火をとらえた写真シリーズで「自然部門」の3位に輝いた。

 世界報道写真財団によると、今年は125か国・地域の写真家5847人から、過去最高となる10万8059枚の写真が出品された。(c)AFP

【関連記事】
タリバン兵の夫に耳と鼻を切り落とされた女性、米で回復手術へ
2009年世界報道写真、大賞にイラン大統領選に抗議する女性