南アフリカ黒人新エリート層の「成金ぶり」に批判
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【2月6日 AFP】ビキニ姿のモデルの体から寿司をつまみ、シャンパンを一晩中酌み交わす─。南アフリカに新たに登場した黒人エリート層の「富の見せつけぶり」が、同国で大多数を占める貧困層の反感を買っている。
成金文化の台頭が顕著なのは、与党アフリカ民族会議(African National Congress、ANC)などと政治的コネクションを持つ大物たちだ。
冒頭の場面は実業家、ケニー・クネーネ(Kenny Kunene)氏が催したケープタウン(Cape Town)のクラブのオープニング・パーティーだが、この写真が週末の各紙一面を飾ると論争が巻き起こった。娯楽産業と鉱山業で身を立てたクネーネ氏は、このクラブに絡んだ詐欺で有罪を言い渡されているが、ヨハネスブルク(Johannesburg)でも同様のパーティーを何度も開いていた。
40歳の誕生パーティーで70万ランド(約800万円)を散財したクネーネ氏に対し、ANCの支持母体である南アフリカ労働組合会議(Cosatu)のZwelinzima Vavi事務局長は、「新エリートはいかがわしい手段で財産を作ったことも多い。彼らがパーティーで富をひけらかすのを見るとむかむかする。貧困層の顔につばを吐くようなものだ」と激しく批判した。
クネーネ被告は最初、成功した黒人男性として、自分が稼いだお金を自由に使う権利があると主張し、Vavi事務局長への公開書簡で「アパルトヘイト時代を思い出させる。黒人はこれはしてもいいが、これはしてはいけないといった具合だ。あなたは心が狭く、いまだ黒人がスポーツカーを乗り回したり、若いうちに富豪になることは罪だと思っている。そちらこそ、わたしをむかつかせる」と反論した。
しかしそうしたパーティーに党内の有力者も参加しているANCが「中傷的で無神経、女性の品位を傷つける行為だ。こうした行為に関わっている全員に今すぐこのような行為を止めるよう求める」と声明を発表すると、クネーネ氏は謝罪を発表せざるをえなくなった。
■「黒人にも浪費する権利はある」と叫ぶ成金層
クネーネ被告のような浪費生活と、大半の南アの黒人たちの生活はまったく対照的だ。政府は黒人の経済力強化を目指す法律を作ったが、南アの黒人の多くはいまだ貧困の中で暮らしている。
非公式な数字だが、同国の失業率は40%という高さ。さらに南ア人種関係研究所(South African Institute for Race Relations)」が前週発表した調査結果によると、黒人の平均個人所得は白人のおよそ8分の1だ。
しかし、こうした成金趣味の暮らしぶりを支持する人たちは、なぜ白人の浪費は厳しく批判されないのかと、反論しており、南アの黒人新興富裕層に対する批判は、新たな人種間論争に発展している。
例えば米国の大富豪、プレストン・ハスケル(Preston Haskell)氏は、ケープタウンの邸宅で1200万ランド(約1億4000万円)を費やして大みそかのパーティーを開いたが、世論の反発など受けてないと、クネーネ被告のビジネスパートナーであるゲートン・マッケンジー(Gayton McKenzie)氏は言う。「70万ランドのパーティーが貧困層の顔につばをかけていると言うのならば、1200万ランドのパーティーは頭上に爆弾だ。われわれ黒人はいまだ身の程を知れと言われているようだ」
南アの黒人層の富の蓄積には、アパルトヘイト時代に不利な境遇に置かれていた黒人の事業を優遇する法律が一役買っている。その一方で、アパルトヘイト廃止から17年経った今も活力ある黒人中流層が生まれていないことから、ANCは批判を受けている。(c)AFP/Charlotte Plantive
成金文化の台頭が顕著なのは、与党アフリカ民族会議(African National Congress、ANC)などと政治的コネクションを持つ大物たちだ。
冒頭の場面は実業家、ケニー・クネーネ(Kenny Kunene)氏が催したケープタウン(Cape Town)のクラブのオープニング・パーティーだが、この写真が週末の各紙一面を飾ると論争が巻き起こった。娯楽産業と鉱山業で身を立てたクネーネ氏は、このクラブに絡んだ詐欺で有罪を言い渡されているが、ヨハネスブルク(Johannesburg)でも同様のパーティーを何度も開いていた。
40歳の誕生パーティーで70万ランド(約800万円)を散財したクネーネ氏に対し、ANCの支持母体である南アフリカ労働組合会議(Cosatu)のZwelinzima Vavi事務局長は、「新エリートはいかがわしい手段で財産を作ったことも多い。彼らがパーティーで富をひけらかすのを見るとむかむかする。貧困層の顔につばを吐くようなものだ」と激しく批判した。
クネーネ被告は最初、成功した黒人男性として、自分が稼いだお金を自由に使う権利があると主張し、Vavi事務局長への公開書簡で「アパルトヘイト時代を思い出させる。黒人はこれはしてもいいが、これはしてはいけないといった具合だ。あなたは心が狭く、いまだ黒人がスポーツカーを乗り回したり、若いうちに富豪になることは罪だと思っている。そちらこそ、わたしをむかつかせる」と反論した。
しかしそうしたパーティーに党内の有力者も参加しているANCが「中傷的で無神経、女性の品位を傷つける行為だ。こうした行為に関わっている全員に今すぐこのような行為を止めるよう求める」と声明を発表すると、クネーネ氏は謝罪を発表せざるをえなくなった。
■「黒人にも浪費する権利はある」と叫ぶ成金層
クネーネ被告のような浪費生活と、大半の南アの黒人たちの生活はまったく対照的だ。政府は黒人の経済力強化を目指す法律を作ったが、南アの黒人の多くはいまだ貧困の中で暮らしている。
非公式な数字だが、同国の失業率は40%という高さ。さらに南ア人種関係研究所(South African Institute for Race Relations)」が前週発表した調査結果によると、黒人の平均個人所得は白人のおよそ8分の1だ。
しかし、こうした成金趣味の暮らしぶりを支持する人たちは、なぜ白人の浪費は厳しく批判されないのかと、反論しており、南アの黒人新興富裕層に対する批判は、新たな人種間論争に発展している。
例えば米国の大富豪、プレストン・ハスケル(Preston Haskell)氏は、ケープタウンの邸宅で1200万ランド(約1億4000万円)を費やして大みそかのパーティーを開いたが、世論の反発など受けてないと、クネーネ被告のビジネスパートナーであるゲートン・マッケンジー(Gayton McKenzie)氏は言う。「70万ランドのパーティーが貧困層の顔につばをかけていると言うのならば、1200万ランドのパーティーは頭上に爆弾だ。われわれ黒人はいまだ身の程を知れと言われているようだ」
南アの黒人層の富の蓄積には、アパルトヘイト時代に不利な境遇に置かれていた黒人の事業を優遇する法律が一役買っている。その一方で、アパルトヘイト廃止から17年経った今も活力ある黒人中流層が生まれていないことから、ANCは批判を受けている。(c)AFP/Charlotte Plantive