【1月30日 AFP】ウクライナの首都キエフ(Kiev)市のレオニド・チェルノベツキー(Leonid Chernovetsky)前市長が2か月以上も公の場に姿を見せていない。

 同国のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領は前年11月、キエフ市長に付与されていた権限のかなりの部分を取り上げ、4年間市長の座にあったチェルノベツキー氏を更迭し、職員出身のオレクサンドル・ポポフ(Olexander Popov)氏を後任に任命した。

 欧州の大きな都市の市長にはカリスマ的な人物が多いが、そうしたユニークな基準をもってしてもチェルノベツキー氏はかなり突出した人物で、その奇行から「コスモス(宇宙)」という異名もあるほどだ。

 記者会見に水泳パンツ1枚で臨み、自分の健康さを証明するためにと報道陣の前で体操をしてみせ、政敵から「精神的に問題がある」と言われたこともある。また自分の「キス」を競売に掛けたり、レコードのアルバムジャケットを作ったりしたこともある。

 チェルノベツキー氏の居場所を聞かれたポボフ市長は、本人にしてもらうべき質問だと述べて回答を避けたが、連絡は取れていると明かした。しかし、キエフ市長の広報担当はAFPの取材に対し、やはりチェルノベツキー氏の所在は不明だと答えた。59歳の誕生日をフランスで迎えるために11月にウクライナを離れたという報道もある。(c)AFP