新登場へびつかい座、戸惑う占星術ファン
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【1月18日 AFP】ある朝目が覚めると自分が自分でなくなっている。もっと困ったことに、これまで相性が良いと思っていた人と相性が合わなくなってしまう─―。先週、私たちがこれまで使ってきた12星座はもはや正しくないという記事が米国の新聞に掲載され、占星術ファンたちの間に波紋を広げた。
ロバート・ロイ・ブリット(Robert Roy Britt)氏が米国の科学系ウェブサイト「LiveScience」に寄せた記事が米ミネソタ(Minnesota)州の新聞に転載され、現地で話題になっているという。
「占星術が生まれて2500年以上が経つが、その間、太陽やほかの星との位置関係が変わり、私たちの星座は占星術ができた頃と比べて1か月程度ずれている」とブロット氏。「星占いファンだったら、新年の誓いも自分の星座や、星座の性格に従って立てていたはずだ。けれどこれまで信じていた星占いに基づいた性格判断や運勢、アドバイスなどは自分ではなく、別人にあてはまるものだったのだ」
■今の星座よりもひとつ前の星座に
星の並び方が変わったことで、自分の星座はこれまで考えていたよりひとつ前の星座になるのだという。
例えば、思いやりがあって忍耐強いといわれる「おうし座」のつもりだった人は、実は自己中心的で気が短い「おひつじ座」で、現実的で用意周到な「やぎ座」のはずだった人は、めっぽう楽観的でそそっかしさもある「いて座」に変わってしまうのだ。
そして、いて座の人の多くは占星術に新たに加わる13番目の星座、「へびつかい座」になる。
へびつかい座は古代バビロンの占星術では使われていたようだが、現代に至るどこかの時点で消えてしまったようだ。
しかし、星座の変更とへびつかい座の復活は、星占いファンを動揺させた。「自分はさそり座だと思って、さそりのタトゥーを彫ってしまったのに、実はてんびん座だった」というあるブロガーのように、自分の存在が揺るぎかねない。
へびつかい座に入るのは、11月29日から12月17日の間に生まれた人たち。著名人ではウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)元英首相、米ミュージシャンのオジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)さん、米人気コメディアンだったリチャード・プライヤー(Richard Pryor)さん、米歌手のブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)さんなどだが、この星座の人の性格を知る手がかりにはまったくならない。
■米国人の約4分の1が「占星術を信じている」
占星術の星座の変更は前にも取りざたされたことがあり、13星座が発表されたのは2007年だ。関係者たちは、占星術は科学的ではなく、星座の変更も真剣に受け止めすぎるべきではないと言っている。
しかし、ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)の現地紙スター・トリビューン(Star Tribune)が天文学者のコメントを掲載したところ、この天文学者の元に問い合わせの電話が殺到し、同紙のウェブサイトは13日1 日で18万3000件を超えるアクセスを記録した。
09年に宗教と国民生活に関するピュー・フォーラム(Pew Forum on Religion and Public Life)が行った世論調査によると、米国人の約4分の1が占星術を信じている。つまり、へびつかい座が心配の種になりそうな人は全部で7500万人もいる計算になる。(c)AFP/Karin Zeitvogel