【12月25日 AFP】キプロスが新たに発行したバイオメトリック・パスポートに古代ギリシャの女神「アフロディーテ(Aphrodite)」の裸像が描かれていることに、イスラム諸国で反発を招くおそれがあると同国の外交官らが懸念を表明している。

 同国紙Phileleftherosによると、パスポートに裸像が描かれているのを見た外交官らは、内務省は外交政策関連の問題を取り払うために、あらかじめ外務省と相談すべきだったとして激怒したという。

 アフロディーテの裸像は地中海東部に浮かぶバカンスの島、キプロスの広報キャンペーン「ラブ・キプロス(Love Cyprus)」のシンボルとしても使われている。

 旅券発行は内務省の管轄。ネオクリス・シリキオティス(Neoclis Sylikiotis)内相は、この旅券が海外で反発を招くおそれがあるとの懸念を否定した。「パスポートに問題はない。すでに発行されており、市民が使っている」と、シリキオティス内相は記者らに語った。

 地元の伝説によれば、アフロディーテはキプロス島付近の海で誕生した。ニコシアのキプロス博物館(Cyprus Museum)には、この女神の裸像が展示されている。

 内務省事務次官によるとパスポートは13日から発券が始まっており、これまでのところトラブルは起きていないという。同次官は、クリスマス休暇後に問題を調査すると述べた。(c)AFP