【12月12日 AFP】インドで絶滅が危ぐされるベンガルトラのサイズが小さくなっているとの調査結果を、インド野生動物保護当局が発表した。

 専門家らによると、ベンガルトラの体重減少の原因は環境変化に関連したストレス。環境変化がインド・バングラデシュ国境沿いのマングローブ林「サンダーバンズ(Sunderbans)」内のトラの生息環境に影響を及ぼしているという。

 インド野生動物保護当局の調査によれば、10年前と比べて体重が減っているだけでなく、体の各部も小さくなっている。

「健康そうに見えるトラの体重がたった98キロだったのには驚いた」とサンダーバンズトラ保護区の責任者は語る。「成長したトラの平均体重が140キロを下回ることはないはずなのだが」

 人間の活動による生息地の減少に加え、海面上昇によりガンジス(Ganges)川、ブラマプトラ(Brahmaputra)川、メグナ(Meghna)川のデルタ地帯を形成するサンダーバンズの湿地の水の塩分濃度が高まっていることを指摘する専門家もいる。その結果、トラたちの獲物が多い淡水の沼地が減少しているという。

 2001~02年に実施された前回調査では、インド国内のサンダーバンズに生息するトラの頭数は274頭にまで減少していた。(c)AFP