【10月15日 AFP】「踊る受刑者」や「踊る客室乗務員」が話題となったフィリピン・セブ(Cebu)州に、今度は「踊る税務課職員」が登場した。

 セブ市役所の税務課にはここ数日、所得税や資産税を支払おうと、数百人が行列を作っている。市職員のオフェリア・オリバ(Ofelia Oliva)さんによると、お尻を振り振り踊る女性職員たちを見られる「特典」がモノを言っているという。

 オリバさん率いる320人の職員は、毎日午前と午後の2回、ダンスを披露している。BGMは、当初はもっぱらシャキーラ(Shakira)が歌うW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)のオフィシャルソング「ワカワカ(Waka Waka)」だったが、最近ではアース・ウインド&ファイアー(Earth Wind and Fire)の「ブギー・ワンダーランド(Boogie Wonderland)」など、レパートリーが広がった。カラフルな伝統衣装を身にまとうこともある。

「税金の支払いは重荷なんかじゃないんですよと、みなさんに語りかけているんです」と、オリバさん。実際、ダンスを披露し始めた今月11日以降の1日あたり税収は、それ以前に比べ42.8%増の500万ペソ(約940万円)に上っているという。

■深刻な納税違反に政府も動く

 オリバさんがダンス・ショーを考案したのは、「市民に笑顔で税金を支払ってもらえるようにしなければならない」という市長の指令を受けたためだそうだ。

 フィリピン内国歳入局によると、同国の労働者人口4000万人のうち、所得税を支払っているのは550万人に過ぎない。ベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)新大統領は、納税義務を怠った著名人らを告訴するなど、納税徹底に力を入れている。

 セブでは以前から、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の楽曲に合わせて刑務所で集団ダンスを披露する「踊る受刑者」が動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」で人気を呼んでいるほか、最近ではレディー・ガガ(Lady Gaga)の歌にのせて安全ガイダンスを行うセブ・パシフィック航空(Cebu Pacific)の「踊る客室乗務員」が話題となっている。(c)AFP

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