【9月27日 AFP】米グーグル(Google)は24日、世界を変えるアイデアを公募して優秀作に総額1000万ドル(約8億4000万円)の資金を提供する「プロジェクト10の100乗(Project 10-to-the-one-hundredth)」に入選した5プロジェクトを発表した。

 プロジェクト開始は2年前で、集まったアイデアの総数は世界170か国から15万件。そこからグーグルが16の「ビッグ・アイデア」を最終候補として選出した。最後は公開オンライン投票が行われ、グーグルのロレーン・ツーヒル(Lorraine Twohill)副社長(マーケティング担当)がブログで結果を発表した。

 非営利団体(NPO)「カーン・アカデミー(Khan Academy)」は、教育ビデオの無料オンライン・ライブラリの提供と、主要な作品を世界の主要言語に翻訳するという取り組みを行っており、200万ドル(約1億7000万円)の資金提供を受けてプロジェクトを拡大する。

 南アフリカ・ケープタウン(Cape Town)にある「数学科学アフリカ機関(African Institute for Mathematical SciencesAIMS)」は200万ドル(約1億7000万円)を受け、アフリカ大陸に大学院レベルの数学と科学教育を提供する同センターの施設を増やす。

 チーム競争を通じて科学と数学の研究を世界に広げる活動をするNPO「FIRST」は、300万ドル(約2億5000万円)で学生向けのロボット工学プログラムを始める。

Public.Resource.Org」は200万ドル(約1億7000万円)の資金を受け、米国の裁判書類や法文、法令、その他政府資料を誰でも簡単に入手できるようにする「Law.Gov」という取り組みを進める。

 ニュージーランドのShweebは100万ドル(約8400万円)で、自転車のようにペダルをこいで動かすモノレール式の乗り物をベースにした交通システムの試験を行う。

 ツーヒル氏は「15万件のアイデアを5つに絞るのにはかなりの労力と時間がかかることがわかったが、しかし、みなさんが投票したアイデアやプロジェクトの可能性にわくわくしている」と述べ、「これらのプロジェクトの進展をぜひ追いかけてほしい」と語った。(c)AFP

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