【8月31日 AFP】ニュージーランドで、ナチス・ドイツが「優越民族」の意味で用いた「アーリア人」という言葉を連想させる「ARYAN 1」という車のナンバープレートが使われていたことについて、同国の運輸局は、このナンバーは女性が「元カレ」のイニシャルを付けたものであるとして、使用を認める判断を下した。

 31日の現地紙ドミニオン・ポスト(Dominion Post)によると、運輸局は人種差別的なナンバープレートが使われていて不快だという住民の訴えを受けて調査に乗り出した。

 これに対し、車の持ち主であるウェリントン(Wellington)在住のリサ・マリー・トンプソン(Lisa Marie Thompson)さんは、かつて付き合っていた恋人の名前であるアンドリュー・ライアン(Andrew Ryan)の姓に名前のイニシャルを付けたものであり、人種差別的なニュアンスはないと主張。運輸局はこれを認め、「現行のナンバーを禁止することは言論の自由の侵害にあたる」と判断し、ナンバープレートの継続使用を認めた。

 トンプソンさんは同紙に対し、4年前にこのプレートを購入した際はそのようなニュアンスがあるとは思いもせず、なぜ不快だと感じる人がいるのかいまだにわからないと語った。

 同紙によると、運輸局がナンバープレートに使用を禁じている文字の例として「DRGDLR」や「TAMPON」を上げている。(c)AFP