【8月19日 AFP】東欧の旧共産圏各地で倒されてから20年が経つロシアの革命家、ウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin)の像が、高さ3.3メートルの巨大ブロンズ像として復活した--18日、フランス南部の町モンペリエ(Montpellier)で「20世紀の5人の偉大な男たち」の像が公開された。

 ブロンズ像として登場したのは、ラングドック・ルシヨン(Languedoc-Roussillon)地域圏のジョルジュ・フレシェ(Georges Freche)知事が自分の英雄とあおぐ5人で、ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)元英首相、シャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)元仏大統領、フランクリン・ルーズベルト(Franklin Roosevelt)元米大統領、仏政治家ジャン・ジョレス(Jean Jaures)、それにレーニンだ。来月には正式に落成式が行われる。

 ブロンズ像の重さは、1体850キロ~1トンで、制作費にはそれぞれ約20万ユーロ(約2190万円)の税金が費やされている。5体で合計181万ユーロ(約1億9900万円)をモンペリエ町は支払う。

 同町には今後5年で、さらに5人の「英雄」の像が到着する。次の5人は、インド独立運動の指導者マハトマ・ガンジー(Mahatma Gandhi)、ゴルダ・メイア(Golda Meir)元イスラエル首相、ガマル・アブデル・ナセル(Gamal Abdel Nasser)元エジプト大統領、ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元南アフリカ大統領、中国の革命指導者・毛沢東(Mao Zedong)だ。

 このほかにも詩人でセネガルの初代大統領レオポール・セダール・サンゴール(Leopold Sedar Senghor)や、メキシコの革命家パンチョ・ビリャ(Pancho Villa)、鄧小平(Deng Xiaoping)元中国主席、そして旧ソ連の最高指導者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の像も加えたいとフレシェ知事は言う。

 知事は、第2次世界大戦中、ソビエトを侵略したヒトラー(Hitler)のナチス・ドイツ軍とソビエト赤軍の戦いに触れ「わたしは反スターリン主義者だが、スターリングラードの戦いの勝者としていつか彼の像を作ってもよいだろう。わたしはいつも、歴史を少し先取りしているんだ」と冗談めかして語った。

 知事は地元の有力者で元社会党党員。人種差別的な発言などを繰り返したために党から追放されたが、そうした問題をはらむ発言のせいで強力な支持者もいる。今回「偉大な5人」たちとともに、自分にも注目を集めることができ、うれしそうな様子だった。(c)AFP/Anne Beade