南極で発見の100年前のスコッチウイスキー、解凍に成功
このニュースをシェア
![南極で発見の100年前のスコッチウイスキー、解凍に成功](https://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/4/d/810wm/img_4dfb4d9758dd91ed242f59199105bfdb149771.jpg)
【8月16日 AFP】英国の南極探検隊が約100年前に南極の氷の下に埋めたウイスキーの木箱が13日、解凍作業を終えて1世紀ぶりに開けられ、探検隊員がこっそり「盗み飲み」をしたと思われる痕跡も見つかった。
英国のアーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)の探検隊が1908年に南極に建てた小屋の下から、スコッチウイスキーのマッキンレー(Mackinlay)が入った木箱が発見されたのは、今年初めのこと。氷点下30度の環境で箱はガチガチに凍結していたが、ウイスキー自体は凍ってはいなかった。
■ダース入り、1本不明、1本開封済み
ニュージーランドのクライストチャーチ(Christchurch)にあるカンタベリー博物館(Canterbury Museum)へ送られた木箱は、状態を管理されながら数週間をかけて解凍され、前週末ようやく開かれた。1ダース入りの箱の中には、割れないようにていねいに紙とわらで包まれたスコッチ11本が入っていた。1本はなくなっていた。
見つかった11本中、1本は中身が減っており、博物館のチームはシャクルトン探検隊のメンバーが「こっそり」飲んで箱に戻したのではないかと推測している。
■100年前の味が楽しめるかも?
このスコッチをそのまま飲む機会はなさそうだが、サンプルを抽出し、現在マッキンレー・ブランドを所有する英酒造ホワイト・アンド・マッカイ(Whyte and Mackay)で再現が試みられる計画だ。同社のブレンディング主任、リチャード・パターソン(Richard Paterson)氏は、ウイスキー愛好者にとって「天からの贈り物」のような発見だと喜んでいる。
また、木箱の開封に立ち会った、クライストチャーチでウイスキー専門店を経営するマイケル・ミルン(Michael Milne)氏は、「箱は木も釘も飛び出し、中のわらがはみ出していて開拓者が運んできたような代物だったけれど、ウイスキーの状態は非常に良かった」と証言した。ラベルにはハイランド・モルトであることが記されていたが、「シングルモルトかブレンデッドかは書かれていなかった」という。
ラベルにはシャクルトン隊が1914年の遠征に使った船、エンデュアランス(Endurance)号の名も記されていた。シャクルトンは10年もののウイスキーを発注していたことから、このウイスキーはおそらく1896年か1897年に蒸留されたものだろうと、ミルン氏は考えている。(c)AFP