【8月5日 AFP】米カリフォルニア（California）州サンフランシスコ（San Francisco）の連邦地裁は4日、住民投票で2008年に可決された同性婚を禁じる州憲法改正決議について、同性愛者の差別にあたり違憲との判断を下した。

　カリフォルニア州では08年、州最高裁が同性婚を認めたことで同性カップルの結婚が相次いだが、半年後の11月、同性間の結婚を禁じる州憲法改正案「提案8号（Proposition 8）」が住民投票で52％の賛成過半数で可決された。

　しかし、ボーン・ウォーカー（Vaughn Walker）連邦地裁判事は4日、提案8号は「ゲイやレズビアンの結婚を否定するだけの十分な論理的根拠を示していない」「異性間結婚は同性婚よりも優れているとの意見を法制化しただけにすぎない」と指摘。

「同性愛者を差別することによってカリフォルニア州が得る利益は皆無な上、提案8号は憲法で定められた結婚の平等を保障する義務を同州が履行することを妨げることから、提案8号は違憲だ」と結論づけた。

　アーノルド・シュワルツェネッガー（Arnold Schwarzenegger）知事は「全ての人々の平等と自由を目指す米国の道標となるもの」と判決を歓迎するコメントを発表した。

　一方、同性婚反対派は上訴の構えをみせている。

　ウォーカー判事も6日までを判決の猶予期間としたため、この間に反対派が上訴手続きを進めるとみられ、同性婚がただちに認められることにはならない。(c)AFP/Rob Woollard

【関連記事】
専門家「生殖能力は結婚の条件ではない」、米同性婚裁判
カリフォルニア州最高裁「同性婚禁ずる住民投票は有効」
同性婚禁止の州法は是か非か、米加州最高裁で審理はじまる