【7月20日 AFP】ビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領(63)は19日、オーストリア・ウィーン(Vienna)で開幕した第18回国際エイズ会議(International AIDS Conference)の基調講演で、死ぬ前にかなえたい2つの願いを明らかにした。

 講演のなかでクリントン氏は、お気に入りだという2007年の米国映画『最高の人生の見つけ方(The Bucket List)』について説明。『最高の人生の見つけ方』は、がんで余命いくばくもないことを宣告されたジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)とモーガン・フリーマン(Morgan Freeman)演じる主人公2人が、人生で実現させたかったことを全て書き記したリストを作り、死ぬ前に夢を叶えようと旅に出るストーリーだ。

「わたしももうすぐ64歳になる。ジャック(ニコルソン)やモーガン(フリーマン)のようにリストを作るべき時期と思っている」と述べたクリントン氏が死ぬまでにやっておきたい願いごとの1つは、アフリカ最高峰キリマンジャロ(Kilimanjaro)に登ることだという。

■キリマンジャロ登頂と孫の顔

 地球温暖化などで20年後にはキリマンジャロ山頂の雪は全てなくなると予測する研究が2009年に米国で発表されている。クリントン氏はまだ雪が残っているうちにキリマンジャロに登りたいと話した。

 さらにクリントン氏は、「キリマンジャロ登頂よりももっと重要な願い」と前置きしたうえで、「わたしが心から願う望みは、生きているうちに孫の顔を見たいということだ」と語った。そして、世界中の孫世代の子どもたちが、そう遠くない将来に、彼らの夢を人生の中でかなえられることを見届けたいと話した。

 クリントン氏にはマラソン完走など、他にもいろいろ夢はあるが、これらについては実現しなくても構わないそうだ。
 
 もはや大統領でない自身の立場についてクリントン氏は「言いたいことが何でも言えて素晴らしい」と歓迎する一方で、「わたしが何を言おうが、もう誰も関心を示してくれないが」と述べて、聴衆の笑いを誘っていた。クリントン氏は米大統領職を退いた後、2002年から欠かさず国際エイズ会議に出席しており、今回は5度目になる。(c)AFP