【7月16日 AFP】ローマ法王庁(バチカン)のラジオ放送、バチカン放送局(Vatican Radio)の電波塔が出す電磁波の影響で近隣住民の発がんリスクが高まっていることが、裁判所の命じた調査により明らかになった。イタリアのメディアが14日、伝えた。

 この巨大電波塔はローマ(Rome)の約20キロ北、Cesano付近にある。

 イタリア日刊紙スタンパ(La Stampa)によると、報告書は「バチカン放送局の建造物と、子どもの白血病とリンパ腫の発症リスクの間には、重要で明確な関連性がある」と結論づけた。さらに報告書は、電波塔から9キロメートルの圏内に10年以上暮らした住民は、がんで死亡する「重大なリスク」があるとした。

 2001年にイタリア環境省が実施した調査でも、同地域の磁場の強さが許容値の6倍以上との結果が出ている。また、ラツィオ(Lazio)州当局も、Cesanoの子どもの白血病による死者数が、隣接する地域より3倍高いとの推計を発表している。

 ローマ法王庁報道官はこの問題について、法王庁の独自の専門家による結論が間もなく公表されると述べた。(c)AFP