【7月14日 AFP】古代エジプトの時代から、その超自然的なパワーが信じられてきたピラミッド。そのパワーをインド・ナーグプル(Nagpur)の警察当局が、交通事故防止に利用しようと考えている。ナーグプルの警察当局は、ピラミッドのパワーに交通事故を減らす効果があるのかを調べるため、事故が多発している市内の10か所に小型のピラミッドを設置することを認めた。

 地元警察の交通部門の幹部は、この試みは警察と、中国の風水に似たインド古来の「バストゥ」の専門家との協議を受けて実施されることとなったと語った。

 この幹部はAFPに対し、「この専門家は、郊外の道路上にいくつかのピラミッドを置いたところ、事故件数が減るなどすばらしい結果が出たと話していた。市内でも行いたいとのことだったので、わたしは『どうぞ、問題ありませんよ』と答えた」と語った。

 ピラミッドは道路上に直接置かれるのではなく、通行の邪魔にならないよう広場の隅や信号機のそばに設置されるという。バストゥの専門家によると、高さ30センチで底は銅製になっており、内部に5つの小さなピラミッドが入るという。

 警察幹部は「6か月間にわたって経過を見る。効果が出てくれることに期待する」としながらも、警察による交通安全への取り組みも継続すると語った。

 インドは、運転技量に乏しいドライバーの増加やずさんな道路計画、取り締まりの手ぬるさなどが相まって、運転するには世界で最も危険な場所だとされる。世界銀行(World Bank)の統計によれば、インドでは毎年、11万4000人以上が交通事故で死亡している。(c)AFP