【7月8日 AFP】長江(揚子江、Yangtze River)を1200キロ泳いで上海万博(World Expo 2010)を見に行こう――。中国の56歳の男性が7日、そんな壮大な計画に着手した。国営メディアが8日報じた。

■12歳のときからの夢

 新民晩報(Xinmin Evening News)によると、中国電信(China Telecom)に務める鮑政斌(Bao Zhengbing)さんは、湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)の自宅から上海(Shanghai)まで泳ぐことが長年の夢だったという。

 鮑さんは、長旅に出る直前の上海日報(Shanghai Daily)のインタビューで、「わたしの夢を叶えるため、そして万博に行くため、とうとうこの時がやってきた」と喜びを語った。12歳のとき船で上海に行って以来、長江沿いの美しい景色に魅了され、いつか泳いで上海に行き、途中さまざまな場所に寄りたいと思うようになったのだという。

■汚染ひどい長江、命の危険も

 しかし、鮑さんが思い描く景色は、少年時代から大きく変化しているかもしれない。専門家らは、工業排水で汚染された長江を泳ぐのには命の危険があると警告する。

 鮑さんも危険性を認識しており、泳ぎ始める前に「何が起きても自己責任」という内容の書類にサインをしたという。鮑さんはボートに乗った友人たちにサポートされながら、1日40キロを泳ぎ、35日で上海に到着する予定。

 中国ではこれまでにも、大イベントに触発された「偉業」が存在する。2008年の北京五輪の際には、97歳の女性がバドミントン競技を観戦するため、孫が運転する三輪車に乗って延々2400キロを旅する偉業を達成している。(c)AFP

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