【7月8日 AFP】今のドイツ人たちにとっては慰めにはならないかもしれないが、サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)でドイツの敗北を予言したタコの「パウル(Paul)」は、ドイツ代表チームの6試合すべてで勝敗予想を的中させるという偉業を達成した。

 ドイツ西部オーバーハウゼン(Oberhausen)の水族館「シーライフ(Sea Life)」では、準決勝のスペイン戦を翌日に控えた6日、いつものようにそれぞれドイツとスペインの国旗を張り付けた、ごちそう入りのプラスチック製の2つの箱がパウルの前に下ろされた。パウルが最初に開けた方が「勝者」だ。

 この様子はテレビで生中継され、パウルがスペインを選んだ瞬間、かたずを飲んで見守っていた全国の視聴者が苦渋に満ちたうめき声をあげた。 

 それまで英雄視されていたパウルだったが、スペインの勝利を予言してからはドイツ国民の態度が一変、敵意のまなざしが向けられるようになった。

 日刊紙Der Westernによると、フェースブック(Facebook)やツイッター(Twitter)には、「パウルを天ぷらにしてしまえ」「丸焼きにしてしまえ」「シーフードサラダやパエリヤの具にしてしまえ」といったコメントが多数寄せられている。中には、「サメの水槽に放り込んでしまえ」といった過激なものもあるという。 

 ベルリン(Berlin)のパブリックビューイング、通称「ファンマイル(Fan Mile)」では、タコをこき下ろす歌を歌うサポーターもいた。

 そして7日、スペインのカルロス・プジョル(Carles Puyol)がW杯ドイツ4回目の優勝の夢を打ち砕いた瞬間、パウルの予言は的中した。(c)AFP
 
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